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2011年6月27日月曜日

住宅履歴の保存 その2

 石田さんも、大阪市のNPO法人「住宅長期保証支援センター」に図面や書類、工事の記録写真などを保管しています。同センターは2002年に活動を始め、約1,800戸分を管理。専務理事の鈴森さんは、「シックハウス症候群や耐震偽装事件を機に、住宅にもトレーサビリティー(履歴管理)を求める傾向が強まった」と話しています。

 1995年の阪神大震災の際には、工務店の多くも被災し、遠方の業者が被災住宅の補強や改修を請け負いました。ところが、その業者に以後のメンテナンスを依頼しても、遠いことを理由に断られるケースが目立ったといいます。鈴森さんは「改修などの履歴が保存されていれば、近くの工務店に頼むこともできる」と話しています。

 近い将来、東南海、南海地震の発生が懸念される和歌山県。同県有田川町の「三洋メンテリフォーム」は、昨年の秋以降、耐震補強や改修を請け負った18軒の履歴を同センターに保存しています。

 図面類が容易に参照できれば、壁や天井内部の構造、建材などを調べる手間が省けるからです。三洋メンテリフォーム社長の上野山さんは「一部の見積もりが不要になり、工期も数日短縮できる。結果的に費用は数万円安くなる。図面や改修記録を備えている住宅は売却の際も有利」と語っています。

 住宅履歴の保存を推進しようと、昨年5月には一般社団法人「住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会」(東京)が発足しました。「いえかるて」と銘打ち、履歴の保管を請け負う住宅メーカーやNPO法人など計43機関が加盟しています。

 同協議会理事の村上さんは「履歴を備え、安心して長く住むことのできる中古住宅が増えれば、市場が活性化し、結果として資源の有効活用につながる」と期待をかけています。

(つづく)

総務部 小杉 勉

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